『手をふれる』
人は、自分の手でふれることで、
それがどういうものであるかを確かめます。
とりわけ、自分が強い関心をもつもの、
大切に思うものには、
思わずふれてみたくなるのです。
母親がわが子を、恋人同士が互いに、
いとおしそうにふれるとき、
そこには神が宿り、愛が生まれます。
手をふれるということは、
それほどスピリチュアルなことなのです。
『手をかざす』
人の手は神秘的です。
手のひらから生命のエナジーが放射されるのです。
目には見えないけれど、それは、
温かさやある種の力として、
感じ取ることができます。
それは、飛行機が空を飛ぶための揚力や、
水中で手や身体を押し上げる
浮力に似た感じです。
相手の病むところ、調子の悪いところ、
あるいは身体全体に手をかざすと、
きっと温かさと心地よさを
感じてくれるはずです。
手をかざす。
それは、宇宙的な癒しの力、
内に秘められた生命力を
呼び起こす業(わざ)なのです。
『手をおく』
ただ黙って、相手の肩にそっと手を置く。
それは、その人へのいたわりの動作。
最も控えめな、励ましです。
「あなたのことわかっています。」
「いいんですよ。もう気にしないで。」
「だいじょう?」
それは、言葉にならない、
深い思いの表現。
そうすることによって、
人は相手の悲しみを共有するのです。
葉 祥明 著
『奇跡を起こすふれあい言葉』より抜粋